どうして同じ山田錦を使っているのに、
こうまで味が違うのか?

これは、七ツ梅が生まれる前の蔵元の葛藤です。
灘の日本酒と関東以北の日本酒を飲み比べて
みると、圧倒的に関東以北の方が飲みやすい。
灘の日本酒はというと、
旨味はたっぷりとあるが、どうしても料理の邪魔をしてしまう旨味だった。

飲んで考え飲んで考え、
たどり着いた答えが水だった。
灘の宮水は硬水でミネラルたっぷり、
関東以北は軟水。
だから、関東以北の酒はすっきり感があるのでした。
答えが見つかれば、あとは早い。
低温で一年間熟成させよう。
造りは、手間は掛かるが、
生もと(きもと)醸造にこだわり、酸味を与えよう。
割り水を少し多くして価格を抑えよう。
こうして出来た七ツ梅は、旨味よし、でも、飲みやすい。
そして、酸味もあるのでいつまでも口の残らず料理
との相性も抜群に良くなった。
関東で大人気の剣菱が半年間熟成させてから出荷している。
答えは、すぐそこにあったようです。

とっまあ、ざっと書きましたが、
先日、大宗さんに遊びに行った時に、
大宗さんから聞いた話です。
浜福鶴の特約店である大宗さんに、
私の店も浜福鶴の特約をやります。
柚子日和もめっちゃ評判良いけど、
意外と七ツ梅が評判良いです。と報告すると、

ありがとうございます。
と礼を言われました。

なんで礼を言うのかと聞いたら、どうも大宗さんが
七ツ梅の誕生に携わったそうでした。
生もと、山廃仕込みができる
杜氏まで浜福鶴に紹介したそうでした。

で、色々と七ツ梅の造りについて勉強出来たので
ラッキーでした。