地元御影にあるのに、今回初めて剣菱酒造さんに見学に行ってきました。
左から、専務、社長、醸造主任。


専務の案内で、蔵を見学。蔵内はとても清潔でした。

 
初めに、面白いなと思ったのはこの木樽。
他の蔵は、アルミ製の熱伝導率が良い樽を使ってる所が
多いけど、剣菱さんは木樽!
使う理由は、もと造りにおいて、
やんわりと温めてくれるからだそうです
アルミ樽だと、樽に当たる部分はとても温まるけど、
それ以外の所は、あまり温まらない。

木の樽を使ってるのは剣菱さんと菊正宗さんだけらしく、
しかも、木の樽を作る職人が数人しかいない。

でも、木の樽の卸先が剣菱と菊正宗だけじゃ生活できないので、
剣菱が社員として職人さんを雇用しているらしいのです。
 

山廃造りの特徴で、渋皮模様になります。


タンクの上部です。
安全面は抜群に良いです。
これで、蔵人の安心して作業できます。


木製こしきです。
お米が接地する部分が余分な水分を木が
吸収してくれます。
ただし、衛生面はどうなのか?
と思いました。

麹米を育てるむろです。
普通は、電線を張って温度を上げるようにしている所が
多いのですが、麹が発酵する温度で40度弱の室温に
なっています。
そして、むろ内の湿度にはびっくりしました。
カメラのレンズがすぐ曇る程です。
よその蔵では、いかに麹米を乾燥させるかという
ことに気をつけていると聞いていたのに、
根本から違うやり方にびっくりしました。


蓋麹箱という小さな箱で、麹を育てます。
小さい箱なので、手間がかかります。
他には箱麹があり、大きな箱なので、
一挙に多くの麹ができます。

剣菱さんでは、他の蔵よりも多くのお米を溶かしているので、
酒粕がよそよりも少ない量しか取れません。
剣菱さんのお酒が濃くてお米の旨味たっぷりなのも
納得です。
手間ひまがかかる山廃造りをやっているから、ここまでお米を
溶かせるのだろうと思いました。
今回、蔵見学をさせてもらい、色々な酒造りがあるなあと感心
しました。そして、
特に剣菱さんは個性的な造り方をしていると感じました。